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津田 孝
JAERI-M 6965, 24 Pages, 1977/02
不純物イオンの輸送に対する温度勾配の効果をトカマクのMHD領域において調べた。イオンの慣性および異なるイオン間の温度緩和の効果も考慮に入れた。軽い不純物イオンに対する結果は、以前のJAERI-M-5376と等しくなり、不純物イオンの粒子束における温度勾配に比例する項は、温度緩和の効果によって出てこない。重い不純物イオンに対しては、あるパラメータ領域では、プラズマ・イオンの密度勾配と温度勾配の向きが等しくても、不純物イオンがプラズマ柱の内部に入っていけない事が示された。
Obrejan, K.; 井戸村 泰宏; 本多 充*
no journal, ,
ダイバータやプラズマ対向機器に対するタングステンコーティングは重い高電荷(高Z)不純物による核融合プラズマの燃料純度低下につながる。このような高Z不純物の新古典および乱流輸送は完全に解明されていない。高Z不純物輸送を解析するために、多粒子種線形フォッカー・プランク演算子に基づく陰解法衝突ソルバによってジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dを拡張した。標準的新古典理論において幅広く用いられている低次近似は低Z不純物によく一致するが、高Z不純物に対しては温度勾配の存在下で大きな違いが見られた。本研究では、高衝突度領域における摩擦係数をより高精度に再現するために高次流を考慮する修正新古典理論をテストし、GT5Dと良い一致を確認した。これにより、不純物輸送におけるバルクイオンの熱遮蔽効果が弱まるという重要な結論が得られた。
Obrejan, K.; 井戸村 泰宏; 本多 充*
no journal, ,
タングステンのような重い不純物イオンの衝突性輸送、あるいは、新古典輸送に関して、ジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dの計算精度を検証した。タングステンの衝突性輸送は重水素や三重水素のような燃料イオンとの衝突相互作用によって決まる。重水素とタングステンの極端な質量比のために、衝突演算子は速度空間のマルチスケール問題となる。本研究では衝突演算子の数値的収束性を摩擦行列係数の評価によって検証し、重い不純物イオンの衝突性輸送理論を再現する上で必要な数値的解像度を明らかにした。
Obrejan, K.; 井戸村 泰宏; 本多 充*
no journal, ,
プラズマ対向機器におけるタングステンの利用は重イオン不純物の炉心への蓄積による核融合プラズマの汚染をもたらす。重イオン不純物の輸送は新古典輸送と呼ばれる衝突性輸送によって評価されてきたが、最近の研究により大域的ジャイロ運動論的シミュレーションとHirshman-Sigmar (H-S)モーメント法と呼ばれる標準的な局所的理論の違いが示された。本研究ではジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5Dにおける改良型異種粒子線形フォッカー・プランク衝突演算子を用いてタングステンの新古典輸送についての系統的なベンチマークを行った。平坦な温度分布ではH-S法とのよい一致が得られたが、小型装置サイズでは温度勾配依存性はH-S法より弱いことがわかった。GT5DとH-S法の一致は現在の核融合実験装置を上回るITER規模の大型装置のみで得られた。
Obrejan, K.; 井戸村 泰宏; 本多 充*
no journal, ,
プラズマ対向機器におけるタングステンの利用は重イオン不純物の炉心への蓄積により核融合プラズマの燃料純度低下を引き起こすが、この現象は完全には解明されていない。本研究では大域的ジャイロ運動論的full-fオイラーコードGT5DとHirshman-Sigmarモーメント法と呼ばれる局所衝突性輸送理論における不純物粒子束の系統的な比較を行った。この結果、シミュレーションと理論は平坦な温度分布のケース、あるいは、ITER規模の大型装置においてのみ一致することがわかった。衝突性不純物輸送を駆動する流れの比較により、現在の装置サイズにおけるシミュレーションと理論の不一致の原因を詳細に調査した。